★血行不良のお話★
人間の体には、成人で体重のおよそ13分の1もの血液が流れています。
血液は摂取した栄養分や酸素を末端の細胞まで運ぶほか、老廃物や二酸化炭素を腎臓や肝臓などの
処理器官に運ぶ役割も担っています。血行が悪くなると、栄養分が体の隅々まで行き渡らず、老廃
物が蓄積されるという悪循環が起こり、肩こりをはじめ、むくみ、吐き気、生理不順、自律神経の
乱れなどの症状が現われてきます。
さらに進行すると、脂質異常(高脂血症)から動脈硬化、さらには脳梗塞などの脳血管疾患や心筋
梗塞など生命に危険を及ぼす疾患にまで発展することもあります。
血行は、人間の健康に最も重要な影響を与えているといえます。
★血行不良による日常的トラブル★
①肩こり・腰痛・関節痛
血行不良は、疲労物質の停滞をもたらします。
筋肉にかかる負担によって、発生する疲労物質がその部位に残ってしまい、炎症を起こしたり、
筋肉を緊張状態にすることで、痛みが発生しやすくなります。特に頭の重さを支える首や肩、体の
軸である腰、常に動かし続けている関節などで起こりやすい。
②冷え性
血液は体温調節の役割を担っており、血行不良は特に体の末端の冷えにつながります。
手足は心臓から離れており、血管も細いため、動脈も静脈も血流が滞りがちです。冷え症は、静脈のうっ血などの症状のほか、全身の冷えによるかぜ、頭痛、めまい、下腹部痛などの神経症状なども引き起こしやすくなります。
③むくみ
下半身の血行不良は、足のむくみの原因にもなります。海外旅行などで長時間飛行機に乗って足を動かさないでいると、足がパンパンにむくんで靴が履けなくなってしまうことがありますが、これは血液の流れが悪くなって血液中の水分が周囲に滲みだし、組織の間などに溜まるためです。
血行不良の自覚症状①
①吹き出物が出やすい。
②脱毛が多くなった。頭髪が薄くなった。
③赤ら顔、顔にシミができる。
④目が充血気味で目がかすむ。
⑤歯茎が赤黒い。目の下にクマがある。
⑥鼻の頭が赤い。(鼻の毛細血管がウキ出る。)
⑦耳鳴りがよく起こる。
血行不良の自覚症状②
①肩が凝りやすい。
②皮膚がどす黒く、つかむと赤い色がなかなか消えない。
③傷が治りにくい。
④腰痛があり、下半身が冷える。
⑤手足がしびれたり、震えたりする。
⑥便秘しがち、痔が悪化している。
⑦生理痛・生理不順がひどい。
⑧掌が赤い。
⑨寒いとすぐに皮膚の色が悪くなる。
⑩心臓周辺が痛んだり、不整脈が出ることがある。
⑪4ぶつけるとアザになりやすい/気づかぬうちにアザになっている。
★血行不良を招く生活習慣★
血行不良を招く要因として、まず挙げられるのが運動不足です。
人間の体は、筋肉を動かすことによって血液を毛細血管の隅々まで循環させているので、体を動かさないと、血液の巡りが滞り、血流が悪くなります。
このほか、ストレスや食生活の乱れなども要因として考えられます。ストレスによって自律神経が乱れると、血液の循環調整機能が正常に働かなくなります。
また食生活の乱れは、緑黄色野菜や魚、豆類など筋肉の働きや血流改善に必要な栄養素の不足を招き、血液の巡りを悪化させます。
★血行不良からくる身体の不調★
血行不良からくる身体の不調を【肩こり】と【眼精疲労】の大きく2つにお話します。
【肩こり】
寒くなると背中を丸め、肩に力が入っていませんか?
冬は厚着もするので、肩がこりやすくなってしまいますよね。
肩こりでお悩みの方も多いことでしょう。
そんな“肩こり”の大きな原因の一つが、『血行不良』です。
同じ姿勢を続けていたり、ストレスで脳が活性化し続けていると、筋肉が緊張したままとなり、血流が滞ってしまいます。
これが慢性化してしまうことで、頭痛や吐き気、目の疲れなどの症状が出てくることがあります。
こんな症状が出る前に、肩こりの予防や解消法を知っているといいですね。
「肩こりの予防と解消法」「肩こりに効果のある食べ物」をご紹介します。
予防と解消法
1.肩や首をよく動かし、ストレッチを習慣づける。
2.毎日、湯船につかって体を温める。
3.ウォーキングや水泳、体操など、全身を動かす運動をし、全身の血の巡りを良くする。
4.肩こりがひどい場合、蒸しタオル、カイロ、温熱シートなどで温めて、血行を促す。
(低温やけどには注意してください。)
良いとされる食べ物
●かぼちゃ、アーモンド、ごま、うなぎ、豆腐など
ビタミンEが毛細血管を広げて血行を良くします。
●さんま、しじみ、あさり、牡蠣、レバーなど
ビタミンB12が血行不良によって傷つけられた末梢血管を修復、痛みを和らげます。
●豚肉、玄米、大豆製品など
ビタミンB1が、肩こりの原因となる筋肉疲労を回復させます。
●その他:しょうが、ねぎ、たまねぎなど
新陳代謝を活発にして、血行を良くしてくれます。
【眼精疲労】(目のしょぼしょぼ)
目が疲れることでも、体の様々なところに影響が出てきます。肩こりや頭痛もそのひとつ。
細かい字を長い間みたり、パソコンを長時間使ったあとは、目がしょぼしょぼになりますよね。
しょぼしょぼしてしまうのは、目の血管が血行不良になってしまった合図です。
タオルを温かいお湯で絞り、目に当てるなどの温パックがオススメです!
そうすることで、目の周りの血管が拡がり、血の巡りが良くなって、疲れが回復します。そのまま少し横になっていると良いでしょう。逆に充血している場合は、目が炎症を起こしている状態です。そのよういなときには、冷やすのが良いです。濡らしたタオルを冷蔵庫で冷やして目に当て、安静にしましょう。そうすることで炎症を緩和することができます。
眼精疲労に良いとされる食べ物
●ブルーベリー・ビルベリー
独特の青紫色の部分に含まれているアントシアニンが目の疲労回復に効果的に働きます。
アントシアニンは疲れ目や夜盲症、網膜炎などに効果的な成分といわれています。
●黒酢
医大の研究で血管のつまりを防ぐ血液浄化作用が強いと言われているのが黒酢。
目に多くある毛細血管にも血液をスムーズに運ぶ為、疲れ目にも効果的といわれています。
●にんにく
にんにくは血管を拡げて血行を促進したり、ビタミンB1の働きを助けることによって眼精疲労や疲労回復・肩こり・神経痛にも効果があるといわれています。