「ストレートネック」のお話
「ストレートネック」という言葉を聞いたことがありますか?
最近ではテレビ等のメディアでも取り上げらことが多くなった、いわゆる「スマホ首」です。
毎日スマホやパソコンを使う私たちにとってまったく無縁とは言えないのです。
1、スマホ首とは
スマホ首とは、日常的に頭を下に垂れた姿勢でスマホを長時間使うことで、首が痛い、首の後ろがこる、首の付け根のこりが取れない、肩こりがするなどの不調が現れた状態です。
頸椎は体の前側に膨らむように弯曲していますが、頭を下げてスマホを見る姿勢では、頸椎の弯曲がなくなり、まっすぐになってしまいます。
それが長時間続くとまっすぐな状態が固定化されます。
頸椎の弯曲がなくなりまっすぐになった状態をストレートネックといい、スマホ首はストレートネックを生じる最大の原因の一つと言われています。
2、スマホ首の原因
スマホを見ているときは顔が下を向いた姿勢になるので、自然とうつむく姿勢になりがちです。
その姿勢は頭部の重心を前にかえてしまうことになり、首に大きな負担を与えます。
うつむく姿勢によって、首の骨にかかる負担の大きさが変わってくるとされています。
<うつむく角度> <首の骨にかかる負担>
0度 約4~6㎏
15度 約12㎏
45度 約22㎏
60度 約27㎏
首が曲がれば曲がるほど、首の骨の負担は大きくなっています。
もっとも姿勢の悪い60度では、10㎏のお米の袋を約3袋分も首に乗せている状態と変わらないということになります。こうして首に負担をかけ続けることによって、正面を向いているときに、頭が前へ突き出した姿勢になっています。これがスマホ首の原因です。
3、ストレートネックになる主な原因は?
① 長時間のパソコン操作(デスクワーク)
パソコン作業もモニター画面をのぞき込むような前かがみに姿勢になるので、長時間悪い姿勢になりやすいです。首に負担をかけるだけでなく、背骨や骨盤のゆがみの原因にもなってしまいます。
② 同じ姿勢での読書
仰向けで寝転びながらの読書は別ですが、いすに座ったりうつむいたりした状態のまま読書をすると首に大きな負担をかけて、ストレートネックになるリスクが高くなります。
③ 高すぎる枕
実は高すぎるもストレートネックの原因です。睡眠時に高すぎる枕を使っていると頸椎が圧迫されて首や肩に大きな負担がかかってしまったり、周りの筋肉が緊張してしまうのです。
その状態が長く続くと、起きた時に首や肩の痛みが出て、ストレートネックになってしまう傾向があります。
4、ストレートネックが引き起こす身体への影響は?
ストレートネックになってしまうと、一体どのような症状が起こるのでしょうか?
「コリ」を含めて3つの症状が起こると言われています。
①肩こり・首こり
首周りの筋肉が緊張してしまうので、肩こりや首こりになってしまいます。このコリは首に大きな負担をかけているので放置してしまうと、軽く咳をしただけでも首に痛みを生じることもあります。
②頭痛、吐き気、めまい、イライラ、不眠など
頸椎の上部に負担がかかると、緊張性の頭痛やめまい、吐き気などの症状が現れやすくなったり、
自律神経に支障をきたしてイライラや不眠といったメンタル面にも症状が現れることがあります。
③手や腕のしびれ、ヘルニア
頸椎の下部に負担がかかると、手や腕のしびれといった症状が現れます。
悪化すると頸椎椎間板ヘルニアになってしまうケースもあります。
5、スマホ首(ストレートネック)の簡単セルフチェック
自分がストレートネックかどうか?今すぐ簡単チェックできる方法があります。
気になる方はぜひ試してみてください。
STEP1:壁に背を向けて立つ
STEP2:「かかと」→「おしり」→「肩甲骨」の順番で壁に付ける
この姿勢ができたら、下記①~④の項目をチェックしてください。
① 意識せず、自然と後頭部が壁に付いている →正常
② かすかに後頭部が浮いているが、少し意識すれば壁に付く →予備軍
③ 後頭部が壁から離れているが、頑張って意識すれば何とかくっつく →能性が高い
④ 後頭部が壁から離れすぎていて、どんなにがんばっても壁にくっつかない →重度→重度可能性
6、ストレートネックの治し方、簡単にできる予防法
スマホ首(ストレートネック)の治し方で、重要なのはスマホの使用中の姿勢を正すことと
ストレッチ体操です。
姿勢についてはスマホを使うときに頭を大きく下げないことです。
頭を下げないために、できるだけスマホを目線の近いところまで持ち上げて使うようにしましょう。
スマホを高く持って、持っていない反対の手で肘を支えるなどがおすすめです。
こうすることによってスマホを使用するときに両手を上手に使うと姿勢を正しやすく、スマホ首(ストレートネック)を治すとともに予防にもなります。
そして、スマホ首(ストレートネック)になり、首が痛い、首こりがつらい、毎日頭痛がするなどの症状で困っている方は枕も工夫してみるとよいでしょう。
もちろん寝ている間に首の矯正はできませんが、首のつらさの解消には、ストレッチ体操と、姿勢をよくすることで予防できます。